[原子力産業新聞] 2003年7月31日 第2196号 <3面>

[IAEA] 15年ぶりに1500万ドル増額

国際原子力機関(IAEA)理事会は18日、15年ぶりにIAEA通常予算の増額を認めた。2004年のIAEA予算は、2003年の2億4500万ドルから1500万ドル増え、2億6000万ドルとなり、2006年には2億7000万ドルになるという。エルバラダイ事務局長は、この増額分の大部分を保障措置に振り向けるとしている。15年にわたるゼロ成長予算のため、保障措置活動は加盟国の任意拠出金に頼るようになっており、保障措置の独立性などが問題となっていた。

同事務局長は今後ともIAEA事務局の効率向上に努めるとし、保障措置プログラムに対する外部評価や、技術協力計画の管理プロセスの評価等を行うとしている。

エルバラダイ事務局長は同理事会で、7月9日のイラン訪問について報告、ハタミ大統領など同国首脳との会談では、イランでの保障措置上の問題点を速やかに解決するよう強く促すとともに、追加議定書への加盟を求めたと述べた。

一方、同事務局長は北朝鮮の核開発問題について、「核不拡散体制に対する最も緊急かつ最も深刻な脅威」と述べた。IAEA査察官が国外追放された昨年12月以降、何の進展もないとし、国際社会が力を合わせて北朝鮮を核不拡散体制に呼び戻すよう求め、また、中国による対話再開へ向けた努力に謝意を示した。


Copyright (C) 2003 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.