[原子力産業新聞] 2003年7月31日 第2196号 <3面>

[英国] 廃棄物管理会社の独立性確保へ

英国政府は7月16日、かねてから原子力産業界側に近すぎると指摘されていた放射性廃棄物管理会社のNIREX社に対して、産業界からの独立性を確保する方針を表明した。M・ベケット環境・食糧・農村大臣は議会で「政府はNIREX社の他の出資者との間で、同社の産業界からの独立と政府管理の拡大を進めるための最善の方策を検討すことにした」として、秋頃を目途に結果を報告すると述べた。

政府決定に対して、NIREX社専務取締役のC.ムラリー氏は歓迎の意向を表明し、産業界からの独立で、放射性廃棄物の処分の維持可能な長期的な政策立案に対してより合理的な寄与ができるとした。

NIREX社は放射性廃棄物の処分に関する研究開発ならびに処分施設運営のために英国の原子力産業界によって1982年に設立。85年には会社組織化され、現在では英国政府のほか、英国原子燃料会社(BNFL)、英原子力公社(UKAEA)、ブリティッシュ・エナジー(BE)社が出資をしている。

今回の措置は、政府が進めている非軍事目的の原子力開発の黎明期に発生した負の遺産の処分事業に関する広範な体制再編の一環として行われるもので、2005年4月に運営を開始する計画の原子力デコミッショニング機構(NDA)の設立準備作業へのフォローにもなるもの。

具体的な放射性廃棄物の長期的な管理方法については、今年10月に設立される予定の独立組織「放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)」が検討し、2006年までに決定して政府に答申することになっている。なお、政府は16日、自然保護委員会(JNCC)委員長を務めているK・ブライアン氏をCoRWM委員長に指名している。


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