[原子力産業新聞] 2003年8月7日 第2197号 <2面> |
[東京電力] CO2排出量が23%増加東京電力は7月30日、「人と地球とエネルギー〜TEPCO環境行動レポート2003」を公表。一連の不祥事により多くの原子力発電所が停止した影響により、同社の2002年度CO2排出量は前年度比23%増加するとともに、発電電力量1キロワット時あたりに排出される「CO2排出原単位」については、1990年度水準に逆戻りしたことが明らかになった。 同レポートは、東電が1992年度から毎年公表しているもので、今年度版は2002年度の東電単体の実績を対象に、「環境編」、「経済編」、「社会編」、「総合編」で構成し、持続可能な発展へ向けて「環境保全」、「経済効率」、「社会的責務」という3つの側面を統合的に達成していくための取り組みや実績についての紹介がされている。 また今年度版については、一連の不祥事の再発防止に向けた同社の取り組みの特集、東電にかかわる「ステークホルダー」との間のコミュニケーション活動状況の紹介、さらには独立第三者機関によるレポートの検証結果についても掲載されている点が、主な特徴だ。 その中で、02年度のCO2排出量について、同年度は8月に自主点検記録データ不正問題が発覚したことから、同社の原子力発電所が次々と停止。その結果、発電電力量の減少を補うために長期停止中の火力が再開したことに加え、販売電力量が2.3%増加したことにより、排出量は1億740万トンとなり、対前年度比23%(2000千万トン)増加した。 またCO2排出原単位は20%増えた0.381s/キロワット時と、1990年度とほぼ同レベルになった。 東電ではこの結果について、「2010年度のCO2排出原単位目標『1990年度比20%低減』達成に向け、安全を最優先とした原子力発電の運転ならびに着実な開発を進めると共に、今後も原子力の利用率や火力発電熱効率の一層の向上、京都メカニズム活用などの諸方策を組み合わせ、排出削減に取り組んでいく」としている。 またSOx・NOxについても同様の理由により、排出量が増加。排出原単位は対前年度比で、SOxが2倍、NOxが1.5倍となっている。 |