[原子力産業新聞] 2003年8月7日 第2197号 <2面>

[東京電力] 「使用済み燃料税」を容認

 新潟県・柏崎市が創設をめざす「使用済み燃料税」について、同市に原子力発電所を立地する東京電力の勝又恒久社長は1日、「核燃料税と二重課税などの疑問の残る部分もあり、納得できたとは言えない」としながらも、「現行の法定外税制度のもとでは、やむを得ないものと判断するに至った」とするコメントを発表。柏崎市に同税を容認することを伝えた。これを受けた柏崎市では、総務省の同意が得られれば、10月にも新税を導入する方針だ。

 課税対象となるのは、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所(全7基)のうち、柏崎市に立地する1〜4号機(=写真)に一時貯蔵されている使用済み燃料で、課税額は1キログラムあたり480円。@安全対策A共生に必要な費用――などを目的とした法定外目的税で、柏崎市では5年間に約26億円程度の税収を見込んでいるという。

 なお、同税の容認にあたり勝又東電社長は「使途内容などが幅広く市民に情報公開されることを望むとともに、同税が地域と発電所の共生に資するために活用されることを心から期待する」とコメントしている。

 使用済み燃料税をめぐっては、鹿児島県・川内市も同税の新設を目指しており、九州電力が容認を表明したことから、同市は現在総務省と導入に向けた協議を進行している。


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