[原子力産業新聞] 2003年8月21日 第2198号 <1面>

[経産省、文科省、他3省庁] 概算要求で基本方針

 経済産業省、文部科学省、外務省、厚生労働省、総務省消防庁はこのほど、2004年度原子力関係予算概算要求に対する基本的考え方を原子力委員会に示した。

 経済産業省は、主要な取組みとして、シュラウド等における応力腐食割れ亀裂の発生特性を探ることにより、健全性評価手法を整備することを挙げた。また、原子力政策関係として、@原子力に対する国民理解の促進A原子力技術開発の推進B放射性廃棄物対策の強化C核燃料サイクルの推進D新型軽水炉開発E原子力立地対策――等を挙げた。

 特に立地対策では、従来の交付金を統合して、電源立地地域対策交付金を新設するとしている。この措置により、交付金の使途を広げるとともに支援対象事業の追加が可能となる。

 文科省は、「もんじゅ」の改造工事やFBRサイクル開発戦略調査研究、常陽MK―V炉心での照射など「高速増殖炉サイクル技術開発」、来年度中にも事業主体が決まる見込みの国際熱核融合実験炉(ITER)などの核融合研究開発、加速器研究開発、次世代の革新的原子力技術、原子力施設の解体・廃止措置などを重点項目としてあげた。

 外務省は、国際原子力機関(IAEA)保障措置体制の強化と効率化、追加議定書の普遍化など。

 厚生労働省は、診断用放射線の防護、第三次対ガン十か年総合戦略、食品照射等について説明、食品照射について、2000年12月に全日本スパイス協会から香辛料の照射認可要請が出されたが、同省が「消費者に依然強い拒否反応がある」としていることについて、原子力委員からは、食品照射は世界的に広く使われており、消費者団体の反対を理由に何年も店晒しにしているのは問題との意見が出された。

 消防庁は、テロ対策を含む放射性物質災害対応のための資機材の整備、除染マニュアル作成をあげた。


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