[原子力産業新聞] 2003年8月21日 第2198号 <2面>

[東京電力] 柏崎刈羽、OSARTを受け入れ

 経済産業省原子力安全・保安院は14日、国際原子力機関(IAEA)から「運転管理評価チーム(OSART)調査団およびOSART事前ミッションを、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所(=写真)に派遣することを決定した」とする通知を受領したことを明らかにした。

 OSARTは、IAEA加盟国が保有する原子力施設における運転管理の安全性が、継続的に維持・向上することを支援する活動。加盟国からの要請を受けてIAEAが調査団を派遣し、施設の運転管理の現状を評価するほか良好事例、改善提案、助言などを、当該加盟国に報告する。東電は、7月に保安院に対し、柏崎刈羽へのOSART調査団の受け入れを希望していた。

 IAEAの専門家十数名で構成されるOSART調査団は、対象となる発電所において約3週間程度をかけて記録類の調査、発電所職員などとの対話、作業状況の確認などを行い、管理・組織・運営、教育・訓練、運転、保守、技術支援、放射線防護、科学、緊急時計画の8分野について、IAEAの原子力安全基準などに照らして評価・報告を行う。

 1983年に韓国の古里発電所に派遣されて以来、今年2月末までに31か国・81基の原子力発電所に対してのべ117回派遣されており、わが国においても1988年の関電・高浜発電所3、4号機における受け入れを皮切りに、92年に東電・福島第二3、4号機、95年に中部電・浜岡3、4号機と計3回受け入れた実績がある。

 なお、今回の柏崎刈羽における実際の受け入れは来年になるが、それに先立つ準備、調整を行うための事前ミッションを、東電では11月中旬頃に受け入れることを希望している。


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