[原子力産業新聞] 2003年8月21日 第2198号 <2面>

[中国電、中電、原電] 3プラントが発電再開

 中国電力の島根原子力発電所2号機(BWR、82万キロワット)が7月29日、原子炉を起動して、今月2日に発電を再開した。

 同プラントでは、4月15日から実施の第11回定期検査で炉心シュラウドに「ひび」が発見されたが、中国電力が今後の進展を考慮した炉心シュラウドの構造強度評価を行った結果、現時点および5年後にも健全性が確保され、今後適切に点検を行いひびの進展状況を確認していくことで健全性は確保できると判断。7月7日に経済産業省・原子力安全保安院に対して「特殊設計施設認可申請書」を提出し、同25日に認可を受けていた。シュラウドのひびの補修を行わずに起動を果たした原子炉は、東北電力の女川1号機に続き、わが国で2番目となる。

 また昨年9月から第7回定期検査を実施しており、再循環系配管にひびの兆候が認められるとともに、炉心シュラウドにひびの見つかった中部電力の浜岡原子力発電所4号機(BWR、113万7000キロワット)は4日、原子炉を再起動し、7日午前1時11分に発電を再開した。

 同4号機では再循環系配管については交換を実施。またシュラウドについては自社による健全性評価を行ったところ、中国電力・島根2号機と同様の結果を得たことから、6月11日に原子力安全・保安院に対して「特殊設計施設認可申請書」を提出。7月15日付けで認可を受けていた。なおその後、中部電力では浜岡4号は長期停止後の起動であることから、慎重を期すために調整運転期間中に原子炉を一旦停止することとし、13日に予定通り原子炉を停止。運転中に立ち入ることのできない原子炉格納容器内や放射線量の高い区域の機器の点検を行った後、15日に再び原子炉を起動。16日から発電を再開している。

 また6月14日から第28回定期検査を実施していた日本原子力発電の敦賀発電所1号機(BWR、35万7000キロワット)は7日、約2か月振りに原子炉を起動。9日には定期検査の最終段階である調整運転を開始した。今後は9月上旬に経済産業省の最終検査を受け、定常運転を開始する予定だ。


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