[原子力産業新聞] 2003年8月28日 第2199号 <1面> |
[文科省] 04年度原子力関係概算要求、総額3133億円に文部科学省の2004年度原子力関係概算要求が、27日明らかになった。要求額は、今年度予算額比で272億7600万円増の3132億500万円。「事業の徹底的な見直し・合理化を図った上で、エネルギーの安定供給、地球環境の保全などに資する原子力分野の研究開発を着実に推進」との方針のもと、核燃料サイクル研究開発や先進的原子力科学研究の推進などに力を注ぐ。 来年度予算概算要求では、@「もんじゅ」、「常陽」など核燃料サイクル研究開発の推進A「ITER計画」など核融合研究開発、「大強度陽子加速器計画」など先進的な原子力科学研究の推進B重粒子線がん治療の普及促進など医療、工業、農業などに貢献する放射線利用に関する研究開発の推進C原子力の安全確保・防災対策および、保障措置の着実な実施D原子力に対する理解増進と立地地域との共生――が主な重点項目。 具体的には核燃料サイクル関連として、「もんじゅ」について、04年度予算においても引き続き維持管理および改造工事のための経費を確保する観点から、110億円(今年度予算額・122億円)を、またFBRサイクル開発戦略調査研究費として、35億円(同34億円)を要求。さらに「超ウラン核種を含む放射性廃棄物発生量低減等に関する調査検討」のための費用として、8000万円を新規で要求する。 一方、原子力科学技術の推進関連では、ITER計画推進に86億円(同5億5000万円)の大幅増額要求をするほか、次世代技術では「国際的取り組みを視野に入れた次世代の革新的原子力技術開発」のために57億円(同41億円)を要求する。 またその他の分野にも引き続き力を注いでいく方針で、重粒子線がん治療研究に65億円(同50億円)、六ヶ所再処理施設に対する保障措置適用に21億円(今年度予算同額)、原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金制度等の運用に10億円(同)を要求。さらには小型加速器開発特別プロジェクト費に、10億円を新規で要求する。 |