[原子力産業新聞] 2003年8月28日 第2199号 <1面>

[福島県] 「エネ政策検討会」

【26日共同】エネルギー政策の見直しを独自に進めている福島県は26日、エネルギー政策検討会(会長・佐藤栄佐久知事)を開き、国の「エネルギー基本計画案」が推進する核燃料サイクルについて「国民的議論が必要」などとする県の意見をまとめた。意見書にして28日までに国に提出する。

 県は、費用が10兆円以上とされる核燃料サイクルについて「適切な政策評価がされていない」と指摘。「推進を前提とせず、核燃料サイクルが必要不可欠かどうか情報公開を進めながら今後の在り方を国民に問うべきだ」としている。

 また、「多くの立地地域が、住民の安全、安心確保の観点から、原子力の安全規制を行う機関の独立を求めている」として、エネルギーの安定供給に責任を持つ経済産業省内に原子力安全・保安院がある現体制の見直しを主張。

 さらに、国のエネルギー政策決定プロセスに地方公共団体の意見を反映させることや、エネルギー需要対策の見直し、原子力発電所の廃炉後の地域振興などを基本計画に盛り込むよう主張している。

 佐藤福島県知事は26日の記者会見で、「(原子力政策を)チェックする機関と推進する機関が一緒になっているなどの根本的問題については、これからも指摘しないといけない」と述べ、今後も原子力安全・保安院と経済産業省との分離を要求していく考えを強調した。


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