[原子力産業新聞] 2003年8月28日 第2199号 <2面>

[資源エネルギー庁など] 金沢でエネシンポ

【23日共同】エネルギー問題と省エネ、地球温暖化などを取り上げるシンポジウム「エネルギーのことを考えよう@北陸」(経済産業省資源エネルギー庁、北國新聞社、北日本新聞社、福井新聞社など主催)が23日、金沢市内のホテルで開かれ、日本のエネルギー自給率が4%しかないことや、原子力発電をめぐる問題などが取り上げられた。

 討論会ではまず、米カナダ大停電と、原子力発電所の停止からこの夏心配された東京の停電が話題に。ニュースキャスターの草野満代さんは「東京であんな大停電が起きたらと、危機感が身に迫った」と話し、石川県婦人団体協議会会長の沖野美智子さんは生活者の立場から、大停電の怖さと足元からの省エネの大切さを訴えた。

 北陸先端大の辻利秀教授(エネルギー材料科学)は「原子力発電は効率がよいが、安全性と廃棄物の問題がある」と述べた上、電気消費地近くで風力、太陽光発電を進め原子力発電所と組み合わせる方法を提案した。

 会場から高速増殖炉の開発について質問があり、辻教授は「コストを考え、再検討する時期」と述べ、山形浩史・資源エネルギー庁エネルギー情報企画室長は「選択肢として残して置いた方がいい」と開発を進める考えを示した。


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