[原子力産業新聞] 2003年9月4日 第2200号 <1面> |
[内閣府] 「タウンミーティング イン福井」を開催内閣府は、8月31日、福井市の福井県自治会館で「原子力との共生」をテーマに「タウンミーティング イン福井」を開催した。これは、福井県環境・エネルギー懇話会との共催で開かれたもので、平沼赳夫経済産業大臣、渡海紀三朗文部科学副大臣、木元教子原子力委員らが登壇、集まった約300名の聴衆と意見交換した。タウンミーティングは、小泉内閣が閣僚と国民の対話を目指し各地で開いているもので、今回が96回目。これまで約4万人が参加している。 タウンミーティングでは、小泉首相からのビデオ・メッセージのあと、江守幹男環境・エネルギー懇話会会長が講演、「原子力発電所の立地は地域に大きな恩恵をもたらす一方、産業構造も変化したが、迷惑産業で風評被害を指摘する声もある」と述べ、今後の福井県の地域振興の課題を、@ソフト面での充実のため、研究所を誘致する必要があるAこの研究所を中核として原子力関連の地場産業の振興を図るBここに国内外から研究者を受け入れる――など提起した。当面、「若狭湾エネルギー研究センター」を中核に総合的な地域振興を図り、単なる電力供給基地から脱皮していきたいとの展望を示した。 平沼大臣は、本年10月から制度変更される電源三法交付金制度の柔軟な運用によって、教育、福祉、環境等の分野で地域の発展に役立つと指摘するとともに、原子力政策での国の説明責任、情報公開の重要性、申告制度の尊重等、安全規制に対する政府の積極的な姿勢を訴えた。 渡海副大臣は、「『もんじゅ』設置許可の無効判決については最高裁に上告中だが、最高裁判決前でも、地元の同意を得て運転再開に向けた改造工事に着手が可能」と述べるとともに、二法人統合の理念でも「もんじゅ」の位置付けを明確にし、同炉を地域振興の核として活用する上で、地域の積極的な提案を期待するとした。 会場の参加者からは、原子力教育、原子力研究施設の誘致、原子力安全規制体制等に関する様々な意見が出されるとともに、北陸新幹線や舞鶴若狭自動車道の整備に対する期待が寄せられ、熱気ある対話が進められた。 |