[原子力産業新聞] 2003年9月4日 第2200号 <1面>

[東京電力] 「電力危機」終結宣言

 東京電力の勝俣恒久社長は1日、記者会見を開き、「先週までの最大電力の発生状況や現在確保している供給力とのバランスからみて、夏の需給の厳しい局面はほぼ乗り切れたものと考えている」として、原子力発電所の再稼働や再発防止への取り組みなど未だ道半ばではあるとしながらも、「今年の夏を乗り切れたことを踏まえて一応一つの区切りとさせていただきたいと思う」と述べ、原子力発電所の停止によって懸念された夏の電力危機について、事実上の「終結宣言」をした。

 電力危機を無事乗り切れたことについて、同社長は「当初の予想に反して10年ぶりという記録的な冷夏となったこと」をあげ、今夏の最大電力需要が8月5日に記録した5650万キロワットにとどまり、過去最高値の6430万キロワット(2001年)を大幅に下回ったとする一方、節電効果もおよそ130万キロワット、2%程度あったとの分析結果を示し、あらためて電源立地地域の理解や需要家の協力に感謝の意を示した。

 同社長はまた、「原子力の残りのプラントの運転再開についても、できるだけ早く立ち上げられるよう」全力を尽くすと述べた。


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