[原子力産業新聞] 2003年9月11日 第2201号 <6面>

[北海道電力] 一次系冷却水漏れ補修で原子炉停止

 北海道電力は7日、定格熱出力で運転中の、同社の泊発電所2号機(PWR、57万9000キロワット)原子炉格納容器内の再生熱交換器室において、一次冷却水の漏洩を確認。補修のために、11日に原子炉を停止した。

 漏洩は、格納容器サンプの水位に上昇傾向が認められたため、調査を行ったところ発見されたもので、このため同社では、原子炉から一次冷却水を抽出する系統を、再生熱交換器を経由しない別の系統に切り替える作業を実施。漏洩は停止した。なお系統切り替え前の漏洩率(約4リットル/時)は、運転上の制限値(2300リットル/時)を十分下回っていた。

 一方、漏洩箇所および漏洩の原因について、同社は8日、現場において再生熱交換器胴側出口管台と配管の保温材を取り外したところ、管台と配管との溶接部から僅かな蒸気が漏えいしていることを目視にて確認。当該部の温度が下がるのを待ち、非破壊検査(液体浸透探傷検査=PT)および超音波探傷検査(UT)を行った結果、@漏えい箇所は1か所A類似の箇所(6か所)について異常は認められなかった――ことを確認したとしている。

 同社では、補修方法について「原子炉を停止し、配管を新しいものに取り替えることが適切」と判断。10日18時から出力を低下させ、11日1時56分、原子炉を停止した。


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