[原子力産業新聞] 2003年9月18日 第2202号 <1面> |
[福井県] 「もんじゅ」安全性を確認核燃料サイクル機構の「もんじゅ」の安全を確認するため、福井県が独自に設置している「もんじゅ安全性調査検討専門委員会(座長・児嶋眞平福井大学学長)」は16日、第18回会合を敦賀市内で開き、「『もんじゅ』は工学的に安全で、改造工事の実施により、その安全性は一段と向上する」ことから、「改造工事を行った『もんじゅ』は、工学的に十分な安全性を持つ」との報告書原案を取りまとめた。今後は県民からの意見を受け付け、11月中に最終報告書を策定する。 同委員会は「もんじゅ」の安全性について、県民の視点に立ち技術的、専門的な立場から調査検討を行うために福井県が2001年に設置したもので、ナトリウム漏洩対策等の改善工事を含む「もんじゅ」全体の安全性等についての審議を、同年8月に開始。18回目となる今月16日、報告書案を取りまとめた。 報告書は、多重防護などにより十分な安全有度を持つように設計された「もんじゅ」は、「改造工事により安全性は一段と向上する」ことから、改造工事後の「もんじゅ」は、「周辺環境に深刻な影響を与える事故の可能性を考えなくてもよい」と同時に、「万一事故に至ったとしても、安全に収束出来る」と結論付けている。 また、思わぬ事故を出来る限り起こさないために、安全性の向上を目指した多角的な研究を、国と継続して行うことおよび、異常時や事故の際にも住民に不安を与えぬよう、情報公開と通報連絡体制を充実させていくことを要求。さらにはわが国が独自に開発した発電設備を有する高速増殖原型炉プラントとして「安全に運転実績を積み重ねて行くことにより、初めて住民の信頼を得ることが出来ることを肝に銘じる必要がある」と言及している。 一方で報告書は、情報公開に向け、福井県内の原子力発電所でトラブルが起きた際、「公開の場で科学技術的な面から審議し、速やかに結果を報告する」独自の第三者機関設置の提言も盛り込まれている。 |