[原子力産業新聞] 2003年9月18日 第2202号 <2面> |
[文科省] 「もんじゅ」でシンポ文部科学省は13日、福井市の福井県自治会館で「もんじゅ」のシンポジウム(=写真)を開催した。「わが国においては高速増殖炉を中心とした核燃料サイクルの研究開発は必要であり、『もんじゅ』はその研究開発の中核施設」との認識の下、その推進に向けた対応を一層強化するとともに、説明責任を果たす取り組みの一環として開かれた同シンポには、約400名の聴衆が詰めかけ、最後まで熱心に聴き入っていた。 冒頭、大野松茂文部科学大臣政務官の挨拶に引き続き、文科省の坂田東一研究開発局長、経済産業省原子力安全・保安院の薦田康久審議官、内閣府の後藤収政策統括官付企画官が、「もんじゅ」の開発意義と必要性、安全性などについて説明。その中で、今年1月に名古屋高裁金沢支部から出された、「もんじゅ」の設置許可無効の判決について「技術の進歩を認めない判決」として、容認出来ないとする考え方を改めて示した。 その後、国や事業者、「もんじゅ」に反対する市民グループ代表、地元の団体役員、さらには学識経験者などをまじえて行われたパネルディスカッションでは、「FBRは、今や新しい炉型のひとつに過ぎなくなっている。今進めることに意義はあるのか」といった意見や、「原子力を扱う以上、常に包み隠さず伝えて欲しい」という情報公開の徹底を望む意見に加え、国には長期的・総合的な観点からエネルギー供給プランを立て、その中で「もんじゅ」をどう位置付けるかのビジョンを示して欲しいとの意見が出された。 これに対して国側からは、今後は「20世紀型開発」の反省を踏まえ、研究開発に柔軟性を持たせた方法で「もんじゅ」の開発を進めていく方針が示されたほか、事業者側も「新技術開発には失敗もあるが、柔軟に進めて行くべき。『将来確実に手に入るエネルギー源はFBRだ』ということは世界的なコンセンサスだ」とするとともに、「地元の方々に向けた理解促進活動を行っているところだが、手応えを感じている。今後も努力をして行きたい」と述べ、理解を求めた。 |