[原子力産業新聞] 2003年9月18日 第2202号 <3面>

[米・NEI] 原子力が最も安価

 米原子力エネルギー協会(NEI)は3日、2002年の米国のベースロード用電源の中で、原子力発電が最もコストが低かった(=表)との調査結果を発表した。これは、4年連続のことで、2002年に91.5%の設備利用率という、5年連続して好記録を更新した米国の原子力発電所の高い経済的競争力を裏書きするもの。

 米国の原子力発電所の平均発電コストはkWHあたり1.71セント(約2.0円)だった。これに対し、石炭火力発電所は1.85セント(2.2円)、天然ガス発電所は4.06セント(4.8円)、石油火力発電所は4.41セント(5.2円)だった。

 原子力発電のコストが低かったのは、低コストで供給の安定している核燃料と、高設備利用率が主要因。昨年の原子力発電所の燃料コストはkWHあたり平均0.45セントであり、石炭は1.36セント、天然ガスは3.44セントだった。

 昨年、103基・1億174万キロワットの米原子力発電所は7800億kWHを発電、1990年に比べて、2600万キロワットの発電能力増に相当する量の発電を行った。

 また、原子力発電所は大気汚染の軽減にも貢献しており、昨年は原子力発電所のおかげで、200万トン以上の窒素酸化物、400万トンの亜硫酸ガス、1億7900万トンの二酸化炭素を環境中に放出せずにすんだ。


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