[原子力産業新聞] 2003年3月27日 第2179号 <1面> |
[文科省] 二法人統合準備会議が終了文部科学省は19日、同省会議室で最終回となる第16回原子力二法人統合準備会議を開き、一般からのコメントを取り入れた最終報告書を了承。会議終了後、渡海副大臣は、大臣室に遠山大臣を訪ね、準備会議の概略を報告、報告書を大臣に手渡した。1年8か月・16回にわたって開かれた同準備会議は終了、今後は独立行政法人設立に向けた立法作業が焦点となる(役職はいずれも当時)。 会議ではまず事務局より、前回3日の会合でまとめられた最終報告書に対して寄せられた33名・117件の意見の概要とその対応を説明した。コメントを寄せた主な機関・団体は、エネルギー環境外交研究会、原産、原研、サイクル機構労組、原研労組、高エネルギー加速器研究機構、京大、東大、東北大など。前回問題になった材料試験炉JMTR廃止に関する「参考資料」については、「原研において検討委員会を設置し、代替機能の確保に留意するとともにユーザーコミュニティの意見等を聴取しつつ、適切な廃止の方法と時期を検討」と付記することとなった。 文科省は、委員からの意見や一般からのコメントを取り入れて修正した最終報告書案を配布、委員からの承諾を得た。また、「新法人の発足は我が国の原子力研究開発の新たな再出発」とする報告書前文が、秋山委員を中心に起草、発表された。 委員からは、統合により国内に新法人の競争相手がなくなり、JMTR廃止問題に見られるように、重要性にもかかわらず安易に廃止方針等が打ち出されてしまう可能性があり、行政等が十分チェックする必要があるとの指摘が出され、渡海副大臣もこれを重要視する見方を示した。また、個別法で決められる新法人の名称に「原子力」や「研究」の名称を残してほしいとの要望も出された。(本報告書の概要を10月9日号に掲載予定) |