[原子力産業新聞] 2003年9月25日 第2203号 <1面>

[内閣] 小泉第2次改造内閣の顔ぶれ

 小泉首相は22日午前、第二次改造内閣に伴う閣僚人事を決め、文部科学大臣に、河村建夫氏(60、前文部科学副大臣)、 経済産業大臣に中川昭一氏(50、元農林水産大臣)、科学技術担当大臣に茂木敏充氏(47、前外務副大臣)を充てた。

 文部科学大臣に就任した河村建夫氏は、同日夜、文部科学省で初の記者会見を開き、「大臣をやるならば、文科大臣をやりたいと考えていた」と喜びを語るとともに、国際熱核融合炉(ITER)の日本誘致への抱負などを語った。

 河村大臣は、遠山前大臣も含め、「三代の文科(文部)大臣」の下で総括政務次官と副大臣を勤めた文部行政通。小泉総理からは「君の所管の事項だから」と就任依頼の説明があったという。科学技術振興について河村大臣は、産官学の連携強化や、総額二十四兆円の科学技術基本計画を着実に実施したいと述べた。

 内閣府の総合科学技術会議との関係について河村大臣は、「科学技術担当大臣もいて二元化するのは問題」としつつも、「科学技術会議は総合的な資源配分」、「文科省は基礎的な研究開発」との認識で、役割分担しながら一体となり科学技術振興に努めるとした。

 ITERの青森誘致については、「世界の最先端を日本が行くのだとの考えで、文科省として全力で取り組みたい」と力説、地元とも協力し、国家戦略として全力をあげる考えを示した。

 河村建夫氏は1942年山口県萩市出身。六七年に慶應義塾大学商学部を卒業、西部石油入社、76年山口県議会議員当選、90年衆議院議員当選、2000年文部総括政務次官、2001年文部科学副大臣。

 閣議後、初登庁した中川昭一経済産業大臣は会見で、「重要な役所で仕事が出来るということで、やりがいと責任を感じている」との感想を語った。

 同相はエネルギー問題にも言及。「日本のエネルギー自給率は大変低いので、クリーンなエネルギー源を世界から安定的に確保せねばならない」とするとともに、原子力については「基本的にクリーンだが、事故を起こすと大変なことになる」とした上で、原子力の安全対策は原子力委員会、安全委員会、資源エネルギー庁、原子力安全・保安院などが力を合わせ、「二重・三重にチェックして、事故を起こさぬよう努力しなければならない」と述べた。

 中川昭一氏は1953年北海道生まれ。1978年 東大法学部卒、日本興業銀行入行、83年衆議院議員初当選、89年農林水産政務次官、96年自民党副幹事長、98年農林水産大臣。

 茂木敏充・科学技術政策担当大臣は就任後の記者会見で、核燃料サイクルを含む原子力政策について、「国民が原子力の安全性に不安をもっていることは事実としてあるが、安全第一で取り組むことが重要」と述べ、核燃料サイクルは「原子力政策の基本」、十分な安全確保を前提に進めていく考えを示した。また、原子力安全規制については、「現行のダブルチェック制がどう機能しているかなどは、自分なりに見た上で判断していきたい」と述べた。

 茂木氏は1955年栃木県足利市生まれ。78年東大経済学部卒、83年米ハーバード大学院修了、丸紅、読売新聞、マッキンゼー社を経て、93年衆議院初当選、99年通産政務次官、2002年外務副大臣。


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