[原子力産業新聞] 2003年9月25日 第2203号 <3面>

[政府] チェルノブイリ事故 被災者救済で500万円寄贈

【9月12日=松木良夫キエフ駐在員】チェルノブイリ事故被災者のため、地方病院における医療機材購入及び患者輸送用ミニバス購入のため、日本政府は同病院へ500万円の寄贈を決定、9月12日、在ウクライナ日本大使並びに同病院長により、これらの機材供与に関する契約書への署名が行なわれた。これは日本政府の草の根無償資金協力の枠組みの中で行なわれるもの。

 今回同資金援助を受けた病院は、ウクライナの首都キエフから約250キロメートル南東にドニエプル河を下った地方都市クレメンチュクの第五病院。同病院はチェルノブイリ事故被災者が移住した先のひとつポルタバ県唯一の同事故被災者用医療施設。資金難の為、老朽化したこれらの医療機材及びミニバスの買い替えを希望していた。

 草の根無償援助資金協力は日本政府の開発途上国等への無償資金援助(ODA)制度のひとつ。チェルノブイリ事故被災者支援策としては、2001年5月にチェルノブイリ発電所労働者の再就職問題などに関するカウンセリングを目的としたスラブチュチ市・市民相談センター開設の為に行なった資金援助の実績がある。少額ではあるが、現場の具体的なニーズのひとつひとつに応えることが出来、また大口のODAと比べて現場からの要請・要望に対する迅速な対応が出来る利点がある。日本大使館の担当官はインタビューに答え、こうした地道だが、出来るところからの協力・援助を今後も続けて行きたいと語っている。


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