[原子力産業新聞] 2003年9月25日 第2203号 <4面> |
[日本原燃] 再処理工場 2006年7月操業開始へ1年延期日本原燃は、六ヶ所再処理工場の使用済み燃料受入れ・貯蔵施設のプールで見つかった計291か所の不正溶接の補修と品質保証体制の見直しのため、同工場の操業開始を、1年先送りすることを決めた。 22日開催の原子力委員会で、同社の佐々木正社長が報告したもので、見直し後の工程によると、ウラン試験開始は2003年10月から2004年1月へ。またアクティブ試験開始は、2004年7月から2005年2月へ。さらに操業開始(竣工)は、2005年7月から2006年7月へと、それぞれ変更されている(左図参照)。 今回の工程変更により、試運転の試験項目自体が見直されたことはないものの、ウラン試験、アクティブ試験ともに、試験期間がそれぞれ約4か月間と約5か月間、延長されている。 特にアクティブ試験については、豊富な経験を有するフランス・COGEMA社の支援を得て検討した結果、工場の安定操業に万全を期するため、最終段階で実施する工場全体の運転性能の確認を、時間をかけて徹底的に実施するとしている。 工事費については、今回の工程変更により、約400億円程度の増加が見込まれるものの、コスト低減努力により、従来の予算額2兆1400億円以内に収めるとしている。 一方、使用済み燃料の受入れ時期について、原燃では「現在、検討中」としているが、従来計画のとおり、段階的に再処理量を増加させて行くことから、年間再処理量が800トンとなるのは、2009年以降になるものと見込まれている。 |