[原子力産業新聞] 2003年10月16日 第2206号 <1面> |
[施設総点検検討会] 六ヶ所村で現地調査へ「六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会(主査=近藤駿介・東大大学院教授)」は9日、経済産業省で第2回会合を開催した。日本原燃の品質保証点検計画および作業内容について本格的な検討に入り、今月25日に六ヶ所村での現地調査も予定している。 この検討会は、建設中の六ヶ所再処理施設でプール水漏水、不適切な工事などが判明したため、総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会核燃料サイクル安全小委員会の下に設置。先月12日開催の初回会合では各委員、青森県、六ヶ所村などから様々な質問、意見が出された。 今会合には、日本原燃から峰松常務、大田保安監査部理事、新沢施設建設部副部長らが出席。こうした質問、意見に回答するかたちで議論した。 同社によると、漏水の原因となった溶接部分は、日本原燃の従来の分類では、元請けメーカーの自主管理の範ちゅうとなっていた。しかし、再処理施設の使用済み燃料受け入れ・貯蔵プールの規模が軽水炉に比べ6倍と大きく、さらに特殊構造であることを考えると、発注元である同社としても従来とは異なる管理体制が必要であり、この点で十分な検討に欠けていたとの認識を示した。 また、施工計画策定の際に、関係者間で従来以上の徹底した計画の吟味が必要であったが、工事日程もあって不十分となり、実際の工事進展に伴い想定外の不適切な溶接工事が多数発生したという。 一方、同社はすでに提出済の品質保証点検計画について、この検討会での意見も踏まえて一部変更した。点検体制における第三者審査機関の追加、施工・検査管理における点検プロセスと点検内容の明確化、などで、これによって管理体制の一層の充実を図る方針。 同検討会は、今月26日に第3回会合を六ヶ所村で開催するが、前日の25日に検討会として現地調査し、点検計画と点検作業の進捗状況の評価、意見のとりまとめに反映させる。 |