[原子力産業新聞] 2003年10月23日 第2207号 <2面>

[日本、韓国] 「日韓原産セミナー」開催

 日韓の両原子力産業会議が主催する「第25回日韓原子力産業セミナー」が10月20日、21日にソウルのシェラトン・ウォーカーヒル・ホテルで開催された。参加者は日韓あわせて228名にのぼり、日本からは菅伸之・北海道電力常務取締役を団長とする原産代表団28名が参加した。

 セミナーでは開会セッションと「安全文化の向上と人材養成」「放射性廃棄物と国民理解」「RI・放射線の産業利用」等をテーマに、34編の論文発表と活発な質疑応答が行われたほか、「発電所の寿命管理」に関する専門家討論が並行して開催された。

 韓国水力原子力の鄭東洛社長は、現在18基、1571万キロワット(世界6位)が運転中で、93%の高い設備利用率を誇る韓国の原子力開発現状を紹介。2015年までに、現在開発中の140万キロワットの軽水炉(APR1400)を含む10基が、新規に運転開始予定であることを明らかにした。また放射性廃棄物に関するセッションでは、現在韓国で中低レベル処分場候補地と決定された、蝟島(ウィド)地域住民の、反対運動の状況が報告された。

 一方パネル討論では、日本における六ヶ所村処分場誘致の経験、現状を参考にしながらPA対策について集中的な議論がなされ、地元住民の理解を得るための粘り強い努力が肝要であることを確認。

 なお、日韓の両団長の挨拶では、エネルギー資源の少ない両国において原子力開発は不可欠としながらも、「国民からの信頼を回復することが最大の課題」と強調されている。


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