[原子力産業新聞] 2003年10月23日 第2207号 <3面>

[米・DOE] 軍事用U233から医療用RI製造

 米エネルギー省(DOE)は、9日、テネシー州オークリッジにあるアイソテック・システムズ社との間で、濃縮ウラン233をダウンブレンドし、がんの治療や研究に使われるアクチニウム225とビスマス213などのアイソトープを抽出する契約を結んだ。契約金額は、今後9年間で約1億2800万ドル。

 過去30年以上にわたり、オークリッジ国立研究所(ORNL)では、マンハッタン計画以来、濃縮されたウラン233を入れたコンテナ1200個以上が保管されてきたが、元は軍事用施設で生産されたもの。

 今回の契約では、トリウム229を抽出し、さらに娘核種のアクチニウム225とビスマス213を抽出するが、アクチニウムとビスマスは急性白血病の治療を含むがん研究に使用される。アクチニウムなどのアイソトープは、肺、すい臓、腎臓のがん治療にも使用される。


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