[原子力産業新聞] 2003年10月23日 第2207号 <3面>

[米・エクセロン] 原子力3基を買収

 米エクセロン社は、英ブリティッシュ・エナジー(BE)社が保有するアマージェン社株すべてを2億7650万ドルで買収すると発表、BE社側も株式譲渡に同意した。この結果、アマージェン社はエクセロン社の100%子会社となる予定で、エクセロン社は原子力発電所19基・2017万キロワットを所有(うち6基は他社と共同所有)、うち17基・1788万キロワットを運転する、民間電力会社としては世界最大級の原子力発電会社となる。

 アマージェン社は、BE社とPECOエナジー社(現エクセロン社)が折半出資で設立した合弁会社で、現在、クリントン、オイスタークリーク、スリーマイルアイランド1号機の3基の原子力発電所を所有、250万キロワットの発電能力を擁している。

 エクセロン社の株式取得手続きが完了するのは来年前半とみられるが、このためには米原子力規制委員会(NRC)、連邦エネルギー規制委員会等の関係機関の承認が必要。

 BE社は経営再建のため英国政府から資産売却を求められていたため、今回、アマージェン社株譲渡に踏み切った。一方、最近の米国原子力発電業界は良好な運転成績を挙げており、エクセロン社は、3基の取得で長期的な収益が見込めると判断した。これら3基では運転認可延長の検討が進行中であり、クリントン発電所では、将来新設の原子炉のため早期サイト認可申請をNRCに申請済み。

 エクセロン社は、コモンウェルス・エジソンとPECOエナジーの両電力が設立した持株会社で、子会社を通じ、エネルギー事業を多角的に展開している。


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