[原子力産業新聞] 2003年11月13日 第2210号 <1面> |
[総合資源エネ調査会検討小委] バックエンドサイクル事業 コストの全容 明らかに経済産業省は11日、総合資源エネルギー調査会電気事業分科会の下に設けられたコスト等検討小委員会の第四回会合を開き、電気事業連合会から、バックエンドサイクル事業全体コストの見積もりと、再処理施設の操業費用およびMOX燃料加工事業費用の見積もりを聞いた。今回で核燃料サイクル・バックエンドの主な費用項目の見積もりが出そろい、バックエンド総事業費は約18兆9100億円、原子力発電単価への影響は1キロワット時あたり0.99〜1.53円(=表参照)との結果となった(2面に解説)。 11日の小委員会では、電事連から、再処理施設の操業費用見積もりと、MOX燃料加工事業費用見積もりおよびバックエンド事業費全体の見積もりについて説明した。 再処理費用については、再処理施設建設費用等が2兆7400億円、運転保守費が3兆700億円、その他諸経費が1兆6100億円の計7兆4200億円。これに、ガラス固化処理(3700億円)、ガラス固化体貯蔵(6400億円)、低レベル廃棄物処理・貯蔵(6200億円)、操業廃棄物輸送・処分費用を加えた総額は、9兆4500億円となった。再処理費用の原子力発電単価への影響は、1キロワット時あたり0.55〜0.85円(割引率各々3〜0%)との見積もり。 一方、MOX燃料加工事業費用については、年間加工量100トンの施設を40年間運転すると仮定した場合、建設費1700億円や運転保守費8000億円を含む操業費用が1兆1100億円、操業廃棄物輸送処分費用が50億円、廃止措置費用が800億円の合計1兆1900億円。原子力発電単価への影響は0.06〜0.11円/キロワット時(割引率各々3〜0%)となった。 今後80年間にわたるバックエンド事業を総計すると、総費用は約18兆9100億円、現在価値に割り引いた原子力発電単価への影響は、1キロワット時あたり0.99〜1.53円(割引率各々3〜0%)となった(=表参照)。これは、分母が異なるコストを単純に足したもの。 また、事業費用は現時点で予測される今後80年に及ぶ費用の単純積み上げであり、現在価値に換算されていない。 近藤委員長はこの検討結果を、14日の電気事業分科会で報告する予定。 |