[原子力産業新聞] 2003年11月20日 第2211号 <1面>

[文科省] ITER安全確保で報告

 文部科学省のITER安全規制検討会(座長=宮健三慶応大学教授)は、「ITERの安全確保について」(報告書案)を取りまとめ、17日、原子力安全委員会に報告した。

 これは、国際熱核融合実験炉(ITER)の安全確保は設置される国の法令によることとなっているため、わが国に建設されることを想定した場合にITERの安全規制のあり方に関して、原子力安全規制等懇談会のもとに設置したITER安全規制検討会で審議を重ね、取りまとめたもの。

 ITERの安全性については、トリチウム等の放射性物質を内蔵すること、核融合反応で中性子が発生することに留意、これらが放射線障害を引き起こさないような措置を取ることが目的となるとしている。また、安全性の確認は、基本設計から廃止段階に至る各段階で科学的・合理的に行うことが基本となる。さらに、原子力発電所等に求められる原子力災害対策は必要ないとされる。

 なお、各段階での安全性確認の法的枠組みについては、ITER機構との間で必要な制度の整備を具体化していくとしている。


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