[原子力産業新聞] 2003年11月20日 第2211号 <4面>

[福井県] 敦賀市で防災訓練

【15日共同】福井県は15日、同県敦賀市の日本原子力発電敦賀原子力発電所1号機で炉心が損傷して放射能が外部に放出したとの想定で、国や関係市町村、原子力事業者と周辺住民計約2600人が参加した原子力防災訓練を実施した。

 午前8時すぎ、原電から国や県に「原子炉へのすべての給水機能が失われた」と原子力災害対策特別措置法に基づく通報があり、訓練を開始。午前10時前には、国の「原子力緊急事態宣言」が、敦賀原子力防災センター(オフサイトセンター)の現地対策本部に伝えられた。

 警察、自衛隊がテレビ画面を通じて次々に災害状況を報告すると、対策本部の西川一誠知事らが「住民の安全を最優先に対策を行う」と緊張した口調で述べ、避難を指示。被ばく患者は石川県の消防防災ヘリなどで相互応援協定を結んでいる舞鶴市民病院(京都府)などに搬送された。

 今回は初の試みとして約20人の住民が海上保安部の巡視艇に乗り海上ルートで避難。県のホームページでは避難住民の安否情報も紹介された。


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