[原子力産業新聞] 2003年12月4日 第2213号 <1面>

[総合資源エネ調査会コスト等検討小委] 再処理などほぼ同等

 総合資源エネルギー調査会電気事業分科会のコスト等検討小委員会(委員長=近藤駿介東大大学院教授)は、11月28日と12月2日、それぞれ第5回、第6回会合を開き、規制や再処理施設稼働率等、コストの不確定要因とそのぶれ幅を検討。また仏UP―2・UP―3等との再処理コストの比較や、諸外国の再処理工場廃止費用、TRU廃棄物処分、MOX燃料加工等について、海外の事例とのコスト比較を行った。

 海外とのコスト比較について電事連が説明、六ヶ所村再処理施設の42年間の平均再処理単価を使用済み燃料1トンあたり2.83億円とし、UP―2・UP―3での単価を公開資料から1トンあたり2.23億円と推定。日仏の人件費・資材費の格差やサイクル税等の特殊要因を除けば、日仏の再処理単価はほぼ同等としている。再処理工場の廃止費用については、フランスのUP―1での実績(400トン/年、廃止費用3600億円)と六ヶ所施設の見積額(8600億円)を比較した場合、再処理能力あたりの費用ではほぼ同等。また、MOX燃料加工についても、ほぼ海外と同程度とした。

 TRU廃棄物地層処分では、欧州各国とも高レベル廃棄物との併置により、コストを大幅に下げていることが分かった。処分単価はフランスの場合、TRU廃棄物1立方メートルあたり720〜830万円だが、日本での試算値(堆積岩)では4200万円。高レベル廃棄物処分とTRU廃棄物処分とが別立てになっている日本が、圧倒的に高いことが分かった。

 2日の第6回委員会では、現在稼働率100%で計算されている六ヶ所再処理工場の稼働率変動による操業コストへの影響を試算。稼働率が5%増加した場合はコストが300億円低減、5%低下した場合は500億円の増加となるとし、稼働率1%減で100億円のコスト増となることを明らかにした。

 規制の動向がコストに与える影響については、TRU廃棄物のクリアランスをしない場合、1100億円のコスト増、処分施設の線量目標値を、現行の10μSv/年から、ICRP勧告の310μSv/年に緩和した場合、900億円のコスト減となると報告した。


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