[原子力産業新聞] 2003年12月18日 第2215号 <1面>

[総合資源エネ調査会] 保安部会、リスク情報利用の検査検討

 総合資源エネルギー調査会・原子力安全・保安部会(部会長=村上陽一郎・国際基督教大学教授)は17日、第13回会合を開催、安全情報の公開と共有化の推進、リスク情報やパフォーマンス評価を活用した検査制度の見直し、最新の科学的知見の安全規制への反映などについて検討を進めることで合意した。

 今会合は、今年10月の新しい原子力安全規制施行後、はじめての開催。当面の政策課題として、まず新規制の着実な遂行と充実を掲げ、原子炉再循環系配管の健全性評価制度対象への追加、検査員の技量確認制度の検討、建設段階の品質保証体制の確立などに取り組むことを確認した。

 安全情報の公開と共有化の推進では、今年10月から運用を開始した電気事業者の原子力発電情報公開ライブラリー「ニューシア」と原子力安全・保安院が有する安全情報をいかに共有させるかなど検討する。「ニューシア」は、今会合でも、透明な情報公開と技術ノウハウの守秘義務をいかに両立させるか、収集した情報をいかに活用するかなど活発な議論があった。

 リスクやパフォーマンス評価を活用した検査制度の見直しは、検査の在り方検討会で来年早々から1年程度かけて検討する。

 最新の科学的知見の安全規制への反映では、電気事業法技術基準の性能規定化のためのWGを設置し、来年夏を目途に取りまとめる方針。また、原子力安全委員会において検討が開始された新たな安全研究の計画にも参画し、保安院としての実施を図る。


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