[原子力産業新聞] 2004年1月6日 第2216号 <1面>

[ITER閣僚級会合] サイト決定は2月に延期

 国際熱核融合実験炉(ITER)の建設地と資金分担等を決めるため、米ワシントン郊外バージニア州レストンのハイヤット・リージェンシーホテルで12月20日、閣僚級会合が開かれた。日本の六ヶ所村と欧州連合(EU)の押す仏カダラッシュの2候補サイトの一騎打ちとなった今回の閣僚会議では、米・韓が日本サイトを支持、ロシア・中国が仏サイトを支持し結論が出ず、2月以降に再び閣僚級会合を開き、サイトを決定することとなった。また、今会合にはカナダが参加せず、事実上ITERから離脱すると見られる。

 閣僚級会合には、日本から細田博之・内閣官房副長官と稲葉大和・文部科学副大臣が参加、EUからはビュスカン・研究担当委員、ロシアはボロフコフ原子力省第1次官、米国からエイブラハムDOE長官らが参加した。

 会合後に発表されたコミュニケでは、2サイトとも優れており「コンセンサスにもとづきサイトを決める前に、さらに評価が必要」とし、12月末までに評価のための追加質問を日本とEUに送付、1月末までに回答を得るとしている。  コミュニケはさらにITERチームに対し、加盟国と協力して、核融合に関する「より幅の広いプロジェクト・アプローチ」をこのスケジュールで検討するように要請。関係者によるとこれは、ITER本体と、実験データ解析センターを別の国に立地することや、材料試験、シミュレーションなど、核融合関連分野での国際協力を推進することなどが含まれるという。


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