[原子力産業新聞] 2004年1月6日 第2216号 <2面>

[政府・青森県] 「4項目の確認」求める

 政府と青森県は12月18日、東京都内で「第7回核燃料サイクル協議会」を開催した。三村申吾・青森県知事による核燃料サイクル政策など4項目の確認・要請事項に対し、政府は「プルサーマルを含む核燃料サイクルの確立は原子力政策の基本であり、安全確保を前提に政府一体で着実に推進する」などを説明した。

 今会合に政府からは福田康夫・内閣官房長官、茂木敏充・科学技術政策担当大臣、河村健夫・文部科学大臣、中川昭一・経済産業大臣、藤家洋一・原子力委員会委員長など、産業界からは藤洋作・電気事業連合会会長などが出席した。

 4項目の確認・要望事項は、@核燃料サイクル政策の方針Aプルサーマル計画への取組みB高レベル放射性廃棄物最終処分の見通しC安全規制の強化策と情報開示――など。

 プルサーマル計画について関係閣僚は、厳しい状況にあるが昨年4月に関西電力の高浜発電所で実施の意志表示があり、政府も実現に向け努力中であると説明した。また、三村知事は高レベル廃棄物の最終処分に関する国と青森県との約束の履行について確認を求めた。政府側は「知事の了承なく青森県を最終処分地にしない」との約束は現内閣も引継いでいると、述べた。

 安全規制の強化と情報開示に関して、三村知事は再処理施設の法改正を含む安全規制の強化、事業者への指導監督の強化、安全規制に関する組織体制の明確化などを求めた。これに対し中川大臣は、日本原燃の品質保証体制を評価し必要な改善を厳正に指導するとともに、原子炉・核燃料サイクル施設事業者の建設段階での品質保証体制を確立させるため、来年初から法制度面の検討を開始する、と説明。また、昨年10月の新しい安全規制の実施、原子力安全基盤機構「核燃料サイクル施設検査本部」の六ヶ所村への設置などの対策を説明し、理解を求めた。

 核燃料サイクル協議会は97年に政府と核燃料サイクル施設立地県である青森県の協議の場として設置され、前回は02年11月に開催。


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