[原子力産業新聞] 2004年1月6日 第2216号 <3面>

[米・会計検査院] 米検査院が廃炉基金で報告 NEIは反論

 米議会の会計検査院(GAO)は、このほど発表した報告書で、原子力産業界の廃炉基金積立てが十分にあるという米原子力規制委員会(NRC)の結論に対し、一部の企業は信託基金を滞納しており、NRCはもっと有効な対策を検討する必要があると指摘した。

 米原子力エネルギー協会(NEI)のR・マイヤー部長は、「年金とは異なり、廃炉基金は一時期の金融市場の市況だけでは判断できない」と述べ、GAO報告書に反論、同報告書の問題点を次のように指摘した。まず、GAOの分析は、20年の許認可更新が廃炉基金に与える影響を認識しておらず、また仮に、十分な廃炉基金なしに原子力発電所が閉鎖した場合、NRCの規制は、廃炉前に最高60年間安全貯蔵(SAFSTOR)下に置くことを許しており、この期間中に、許認可取得者が基金不足を解消できる。

 さらに同部長は、NRC規制は、廃炉基金の絶対的な保証を求めているわけではなく、「妥当な保証」を求めていることを指摘。これは、基金が蓄積される40〜60年間という期間の状況変化を考慮すると適切としている。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.