[原子力産業新聞] 2004年1月6日 第2216号 <3面>

[米・NEI] 早期サイト許可で公聴会 米NRC、2サイトで

 米原子力規制委員会(NRC)は、ドミニオン・エンタジー社のノースアナ原子力発電所と、エクセロン社のクリントン原子力発電所の早期サイト許可(ESP)申請に関する公聴会を、それぞれ12月8日と12月18日に開催した。

 12月8日のノースアナに関する公聴会では、ドミニオン社のESP許可への賛成意見として、前向きの計画であること、安全性が高いこと、過去25年間のノースアナの良好な実績が上げられた。一方、反対意見としては、環境審査について意見を求める期間が短すぎること、放射性廃棄物処分問題や発電所の冷却水源であるアナ湖の水質や魚の生息に関する懸念が挙げられた。

 NRCによるESPの審査は、33か月かかり、ドミニオン社は2006年の初めには最終承認を得ることを期待している。ESP申請の一環として、サイトの安全性、環境保護、緊急時計画なども検討される。原子力エネルギー協会(NEI)は、業界の役割を重視し、原子力が環境に寄与していること、バージニア州だけでも2002年に700万トンの炭素排出を削減したことを指摘した。

 12月18日のクリントンに関する公聴会では、国家環境政策法(NEPA)環境審査プロセスの概要、環境影響声明対象範囲、NRC審査日程、公衆の意見提出期限、環境問題に関する提案などが発表された。

 ESPプロセスにより、申請者は環境影響などのサイト関連問題を将来の原子力発電所の建設・運転以前に解決できる。


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