[原子力産業新聞] 2004年1月8日 第2217号 <1面>

[原子力委員会] 「対話重ねる」と所信

 原子力委員会は6日、新委員による第1回定例会議を開催し、基本姿勢、重点政策目標などを掲げた新委員会としての所信を取りまとめた。また、委員長代理には斎藤伸3委員が指名された。

 基本姿勢では「専門家、一般市民、地方自治体、政策提言集団など広く多様なセクターに原子力の研究開発及び利用に関する政策の提言や意見を求め、対話を重ねる『広聴活動』を重視する」。また、「個々の研究開発や事業に携わる者がリスクを認識し、計画や事業の進め方を柔軟に見直すといった適切なリスク管理を行うことを求める」としている。

 重点政策目標は、@原子力発電がエネルギー自給率向上に繋がる基幹電源であり続けるように安全性、安定性、経済性、環境特性の維持・向上を求めるとともに、合理的な核燃料サイクルシステムの実現を図るA原子力エネルギー利用技術の一層の性能向上や利用分野の拡大を図る研究開発を国際協力も活用して推進するB放射線、核反応を人類社会の福祉と国民生活の水準向上及び科学技術の発展に利用するとともに、これに必要な研究開発・教育を推進するC人類社会の福祉向上に役立つ原子力の研究、開発及び利用に関する国際共同活用と相互裨益の観点に立った2国間及び多国間協力活動を推進するD国際社会における原子力の平和利用の進展に寄与する国際核不拡散体制の有効性の維持・強化に貢献する――など。

 新たな長期計画については、各界各層から提案・意見を聴取し、課題・論点を整理するとともに、各種の代替政策提案に関する定量的な検討を開始する、としている。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.