[原子力産業新聞] 2004年1月8日 第2217号 <1面>

[文部科学省] 2004年度原子力予算案固まる

 文部科学省は12月25日、来年度の原子力関係政府予算案をまとめ発表した。予算総額は昨年度予算額と同額の2888億円。核燃料サイクルに関する効率的な研究開発を進めるとともに国際熱核融合実験炉(ITER)計画、大強度陽子加速器計画(J―PARC)、革新的原子力技術開発などを推進する。

 <一般会計が昨年度予算比3%減の1351億円、電源特会が同3%増の1537億円。核燃料サイクル技術開発では「もんじゅ」が同11%減の108億円、FBR開発戦略調査研究が同額の34億円など。「もんじゅ」は維持管理および改造工事の経費等を計上した。/p>

 ITER計画の推進は同約5倍の27億円で、我が国が分担する機器整備等の開発に向けた準備等を行う。革新的原子力技術開発は同約2倍の81億円で、米国の第4世代原子力システム開発の推進も視野に入れ、産学官を結集する革新的原子力システム技術開発公募制度について、これまでの炉分野、サイクル分野を統合し実施する。

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 経済産業省は、原子力関係に1729億円(対前年比1.1%増)を確保し、原子力安全対策、国民の原子力への理解増進、原子力立地対策といった幅広い施策に対処する。

 「定期安全管理審査制度」が新設されたこと等に伴い、検査技術の高度化等に62億円、安全性評価技術の高度化等に25億円を計上した。また、原子力防災対策の推進に104億円を充て、緊急時の情報システム整備、防災用資機材の整備、防災研修・防災訓練等に対する支援を行うとしている。国民の理解促進に関しては、地域担当官事務所の充実、電力の生産地と消費地の相互理解促進等に27億円を充てる。

 核燃料サイクルの推進では、放射性廃棄物対策に137億円(文科省計上分のサイクル機構への補助金84億円を含む)を充て、原子力技術開発では革新的実用原子力技術開発に25億円、全炉心MOX(混合酸化物燃料)原子炉技術高度化に24億円を計上した。


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