[原子力産業新聞] 2004年1月8日 第2217号 <2面>

[フィンランド・TVO社] 2009年運開めざす

フィンランドの電力会社ティオリスーデン・ボイマ・オイ(TVO)は、12月18日、仏フラマトムANPとジーメンスのコンソーシアムとの間で、オルキルオト3号機建設に関する契約を結んだと発表した。同3号機は初の欧州加圧水型炉(EPR)で出力160万キロワット(=断面図)。TVOは2009年上半期の運転開始を予定している。

オルキルオト3号機の原子炉部分はフラマトムが、タービン部分はジーメンスが担当する。EPRは、格納容器高さが63メートル、直径が49メートル、原子炉熱出力430万キロワットで4ループ式。

EPRは、安全性の向上のため、受動的安全系の採用や安全系の簡素化、溶融燃料のコアキャッチャーの設置などが行われている。また、経済性向上に向けて、24か月運転サイクルへの対応と、燃料交換期間の17日程度への短縮により、87%の設備利用率を目指す。またプラント長寿命化により、設計寿命を60年としている。

TVOは今回の契約額を明らかにしていないが30億ユーロ(4000億円)程度と予想され、フラマトムが72%、ジーメンスが28%程度をそれぞれ担当。TVOによると、今回の契約は固定価格によるもので、サイトの掘削作業を除き、フラマトムとジーメンスが、機器供給、建設から運転開始まで、スケジュールを含めて、全面的に責任を負うことになっている。

このプロジェクトには、フィンランド全土から60社以上が投資しており、完成後はそれぞれ電力の配分を受ける。

TVOは今月中に、政府に建設許可を申請する予定。サイト整地は1月中に始まり、今年一杯かけ行われる予定。その後、2005年初めから2007年にかけて建屋を建設、2006年半ばからは機器搬入と据え付けが行われる。2008年後半には試運転には入り、2009年上半期の運転開始を目指す。


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