[原子力産業新聞] 2004年2月19日 第2223号 <1面> |
[東京電力]青森県・むつ市に申し入れ東京電力は18日、青森県むつ市が誘致している使用済み燃料中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」(=図)の立地協力を、同県および同市に正式に要請した。同施設の建設へ向けた立地協力要請は、全国で初めてのこと。要請を受けた三村申吾青森県知事は、「日本原燃の今後の取り組みを見極めた上で、立地協力要請の検討に着手する」と述べ、慎重に取り扱う意向を表明。また杉山粛むつ市長は三村知事の意見に理解を示すと同時に、04年度中には(知事に)同意を出して欲しいとの意向を示している。 18日午前、東電の勝俣恒久社長、桝本晃章副社長らは青森県庁を訪れ、三村知事に要請文を手渡すとともに、リサイクル燃料備蓄センターは核燃料サイクル政策に必要不可欠、安全確保を第一に、地域との共存共栄を図りたいと、同センター建設に向けての県の協力を正式に求めた。 これに対して三村知事は、日本原燃が六ヶ所村に建設中の再処理工場の健全性や品質保証体制など、操業に向けた取り組みを見極めた上で検討に着手する考えを提示。勝俣社長も「再処理工場の円滑な建設、運営があって初めて中間貯蔵も意義がある」と、知事の考えに理解を示した。 また勝俣社長らは同日午後、同県むつ市に杉山市長を訪ね、同様の要請を実施。同市長は再処理工場関連の事項で手順を踏んでいくことの大切さに触れるとともに、04年度中に知事同意が出ることを望む意向を示したという。 同センターをめぐっては、2000年11月に、むつ市が東電に対して技術調査依頼を実施。これを受けた東電では、翌年4月から現地調査を開始し、03年4月には、施設の建設は技術的に可能である旨の調査結果を同市に報告するとともに、事業構想を提示。そして03年7月には、むつ市より立地の正式要請を受けていた。なお東電では、2010年までの操業開始を目指している。 また、今回の要請について東電は、18日発表のコメントで「本事業への参画要望があった日本原子力発電と共同して本事業を進めてまいりたいと考えている」と、原電と共同で新会社を設立し、事業を進めていく方針も明らかにしている。
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