[原子力産業新聞] 2004年2月19日 第2223号 <2面> |
[原産] 「保修のあり方」で報告会日本原子力産業会議は13日、東京・港区の原産会議室で「今後の原子力発電所の保修のあり方」に関する報告会を開催(=写真)した。約80名が出席、意見交換も行われた。 本会は、原産・基盤強化委員会(委員長=荒木浩・東京電力顧問)の下に設置された人材問題小委員会(委員長=鷲見禎彦・日本原子力発電社長)が検討し、昨年6月に取りまとめた「今後の原子力発電所の保修のあり方」に関する報告書の趣旨、内容の説明などのために開催されたもの。 人材問題小委員会の北村俊郎委員(日本原子力発電理事)から、@ウルフ・クリーク原子力発電所をはじめとする米国調査の内容A多層構造の請負をはじめとする国内原子力発電所の保修体制の特徴B技術技能の伝承、人員の確保、合理化・省力化など保修に係わる人材確保上の課題と対応策C民間資格制度の設立、多層構造の緩和(直営率の向上)、年間工事量削減と平準化への取組み、管理手続きや運営ルールの見直し・統一化などの提言−について説明。 また、提言の実現に向けて、民間資格制度では電力・メーカー・工事会社などによる委員会を原産に設置し、枠組みと制度化手順を検討していること、多層構造緩和では日本原子力発電が事務局となり連絡会を定期開催していること、なども報告された。 意見交換では、「規制の多さが原子力発電所のスタッフの多さに繋がっている面があり、保修の合理化を進めるには規制の緩和が必要ではないか」、「安全規制の改訂により書類作成は増える方向にある」、「現実的には保修の直営の範囲はある程度限定されるのではないか」、「報告書の提言の中で出来ることから進め、実績を作ることが重要ではないか」、「原子力に魅力を感じる若い人材を如何に確保するかが現場でも大きな課題」などの意見が出された。 |