[原子力産業新聞] 2004年2月19日 第2223号 <2面>

[文部科学省] 武蔵工大原子炉、解体へ

 文部科学省は9日、原子力安全委員会に対して、武蔵工業大学原子力研究所原子炉施設を解体することを報告した。

 同原子炉は、研究および教育訓練、アイソトープ生産、医療を目的に設置され、出力は100kW。1963年1月30日に初臨界して以来、89年12月まで運転し、積算出力は約400MWHに達した。停止の原因は照射室内での漏水であり、その後の調査、運転停止状態が長期化するなかで、財政的負担、研究炉の将来性、社会情勢等を勘案して、学校法人五島育英会が昨年5月に解体を決定し、本年1月に文科省に届け出を行った。

 解体工事は2段階に分けて行われ、第1段階(04〜06年度)では、使用済み燃料の搬出、原子炉の運転機能を永久停止する措置(制御棒駆動装置の撤去等)を行う。使用済み燃料は米国エネルギー省(DOE)へ引き渡される。第2段階(07〜08年度)では、各設備の解体工事を行い、発生する放射性廃棄物は施設内に保管管理される。解体に伴い発生する放射性固体廃棄物は、低レベル約112トン、極低レベル約149トンとみられる。

 今後の解体工事の各段階で、文科省は報告、届け出を求め、安全を確認する。


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