[原子力産業新聞] 2004年2月19日 第2223号 <4面>

[GE横河メディカルシステム] PET・CT複合装置を発売

 GE横河メディカルシステムはこのほど、陽電子放射断層撮影装置(PET)とコンピュ−タ断層撮影装置(CT)を一体化した複合型診断装置「DiscoveryLS」を発売した。米GE製PET「AdvanceNXi」と、同じく同社のマルチスライスCT「LightSpeed」シリ−ズを組み合わせた日本初のPET/CT装置。

同装置の最大の特長は、1度の検査でCTによる生体の「形態画像」とPETによる「機能画像」の2種類の画像撮影が可能になること。がん病巣の正確な位置特定などに高い有用性があり、今後の日本のがん診断および治療の発展への貢献が期待される。

 PETは、全身の腫瘍検査、脳および心臓の機能検査で有用性が高 く、特に活発に増殖するがん組織を放射性医薬品の集積として画像化できるため、がんの発見に非常に有効だが、PETのみでは医薬品の異常集積部位の位置を正確に把握することが難しい。一方、CTは体内の構造物の形状や病変の位置を正確に把握することができるが、病変部の悪性度の診断機能は十分持ち合わせていなかった。

 「DiscoveryLS」では、1回の検査で機能画像と形態画像の撮影と重ね合わせ処理を行うことで、病変部のより正確な診断と位置特定が可能となる。 特に従来では見つけにくかった微小ながんや転移・再発がんの発見に威力を発揮するという。また、検査回数の削減と検査時間の短縮化により、患者の負担も軽減できる。価格は12億円。初年度国内で25台の販売を目指す。

 米GE社製のPET/CT「Discovery」シリ−ズは現在、世界各国で220台以上が稼働、約75%のシェアを有している。

 


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