[原子力産業新聞] 2004年2月19日 第2223号 <4面> |
[書評] 「険しきことも承知して」 後藤 茂著元社会党国会議員の著者が、戦後日本のエネルギ−安全保障と原子力発電に対して教条的・硬直的党是の自縛から脱却できず、挙句に党自体が自壊に向かう過程を渦中に棹差した当事者の自省を込めて平易かつ高尚な随筆風にまとめた秀逸の書。低迷する今日の原子力界を彷彿とさせるとともに再起へのヒントを読み取れる。寄せられた多くの読後感から紹介すれば「後藤さんの人生であると同時に誇り得る生涯航路が描かれており…」(元社会党委員長・田辺誠氏)、「とくに『易水寒し』は圧巻で先生は筑を鳴らす高漸離の役を見事に果たしておられます」(NUPEC特別顧問・石川迪夫氏)、「これだけの資料と文献に目を通され整理され、かつ立論される先生のエネルギ−には深く驚嘆し敬意を表さざるを得ません」(元電源開発総裁・両角良彦氏)などなど。「エネルギ−フォ−ラム」誌1月号に平岩外四東京電力顧問が『書評文学』のジャンルとも言える優れた書評でご紹介されている。 (宅間正夫・日本原子力産業会議専務理事)
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