[原子力産業新聞] 2004年2月26日 第2224号 <2面>

[原子力委員会] 「長計ご意見を聴く会」で佐和教授提言

 原子力委員会は203日、東京・虎ノ門の3井ビルで第4回「長計についてご意見を聴く会」を京都大学経済研究所の佐和隆光所長を招いて開催した。

 佐和所長は、「電力自由化のもとでの原子力発電のあり方」について提言した。要旨は次の通り。

 ▽安全性に対する懸念、電力市場の自由化、電力需要の伸率の鈍化などの中で、当面、民間企業として電力会社が原子力発電所を新増設する可能性は乏しい。このため、まず石油が枯渇するとされる30年から40年先に原子力がどうしても必要なのかを問う。その答えが「イエス」ならば、十年を超す長期間にわたり建設が中断されても原子力発電技術が生き残ることができるかを問う。その答えが「ノー」ならば、何らかの公的支援により原子力発電を市場競争から隔離し、必要になるまで技術を生き残す必要がある。また、住民投票による建設反対の是非を問う場合でも、原子力発電の必要性についての合意形成が不可欠である。


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