[原子力産業新聞] 2004年2月26日 第2224号 <3面> |
[IAEA] 事務局長がリビアを訪問 プル抽出も判明【カイロ24日共同】国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は23日、訪問先のトリポリでリビア政府高官と会談後、記者団に対し、闇市場を通じた核技術の拡散状況の解明にリビアが協力していると述べ、リビア政府の対応を評価した。 事務局長は、闇市場への関与が疑われる個人や企業名の情報収集を続けているとした上で、リビアだけでなく「他の国々が核技術や兵器の設計図の提供を受けたかどうかについて把握に努めている」と説明。特にイランへの技術流出について、リビア側に情報を求めたとみられる。 【ウィーン21日共同】国際原子力機関(IAEA)が3月に開く理事会向けの報告書で、リビアが1980年代初めから核兵器製造を目指して本格的な核開発を始め、少量のプルトニウム抽出に成功していたと指摘していることが分かった。IAEAに近い外交筋が20日、明らかにした。 外交筋によると、リビアの核開発は80年代から2003年末まで続いた。この間、ウラン濃縮など多様な開発を進め、IAEAに未申告で濃縮ウランなどの核関連物質を輸入、プルトニウム抽出などの実験を繰り返していた。 報告書は、リビアは「核兵器の設計図、遠心分離機、濃縮ウランを入手するなど、外国から多大な支援を受けていた」とした。 |