[原子力産業新聞] 2004年2月26日 第2224号 <4面>

[三菱重工] ベルギー・ドール向けSG2基を出荷

 三菱重工業は、ベルギーの電力会社エレクトラベル社ドール原子力発電所2号機向け取替用蒸気発生器(SG、=写真)2基を完成、20日、神戸港から出荷した。現地到着は4月下旬を予定しており、今夏の定期検査時に取替工事が実施される。

 出荷するSGは国際入札を経て同社が2002年1月、エレクトラベル社と契約を交わし、神戸造船所で製作を行ってきたもの。

 ドール原子力発電所は首都ブリュッセルの北西約50kmに位置している。今回出荷するSGは、ここにエレクトラベル社が所有、1975年から運転している39万kW級加圧水型軽水炉(PWR)の取替用。このSGは伝熱管本数増により、SG取り替え後は約10%程度の出力アップを計画している。

 同社は1995年、同じくエレクトラベル社所有のチアンジュ発電所1号機(出力96万kW、PWR、1975年運転開始)向けに取替用SG3基、2001年に同発電所2号機(出力96万kW、PWR、1983年運転開始)向けに取替用SG三基の合わせて六基の取替用SGを納入しており、その品質、製作工程、好調な運転実績などが評価されている。

 同社は積極的に原子力発電設備の海外展開を図っており、今後、SGに関してはエネルギー政策の見直しにより投資意欲が活発化しつつあるアメリカの既設原子力発電所向けに取替用として売込みを強化していく方針。


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