[原子力産業新聞] 2004年3月18日 第2227号 <2面>

[四国電力] 充填ポンプ主軸に折損等 伊方3トラブルで報告

 通常運転中の四国電力・伊方発電所3号機(PWR、89万kW)において、9日に発生した1次系冷却水漏洩トラブルについて、同社は15日、充てんポン プ3C主軸に折損及び、ポンプ内部・封水部等で接触による摩耗等の損傷といった不具合が認められたことを明らかにするとともに、同日、原子力安全・保安院に報告した。

 トラブルは9日9時57分頃、伊方3号機1次冷却材ポンプへの封水注入系統の流量低下を示す信号が発信し、1次冷却水を浄化した後再び1次冷却系統に戻すための充てんポンプ3台のうち1台(3C)の封水部から、浄化を終えた後の1次冷却材が漏えいしていることが確認されたもの。四電では、直ちに充てんポンプ3Cを停止し、3B(予備ポンプ)に切り替えを実施。冷却水の総漏洩量は、約1.6立方メートルだった。なお環境への放射能の影響はなく、伊方3号機は現在も順調に運転を継続中。四電では今後、更に詳細な調査を実施するとともに、折損原因等の究明を行う方針を表明している。

 今回のトラブルに関するINESによる暫定評価として、保安院では「0マイナス」と発表している。


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