[原子力産業新聞] 2004年3月18日 第2227号 <3面>

[ロシア] GAN、セキュリティ不備を警告 原子力施設で

 ロシアの原子力放射線安全国家委員会(GAN)は、国内の原子力施設のセキュリティレベルが不十分であるとみている。GANのA・マリシェフ委員長によると、2003年にGANは原子力施設のセキュリティ対策について299回の検査を行い、175の違反が明らかになった。セキュリティ関連の違反数は2002年からは減少しているという。

 運転に関する違反総数は減少し、2002年の38件から2003年には30件になった。ロシアの原子力発電所の運転中の事故・故障は、2003年には、前年の39から51に上昇した。また、2003年には、核燃料サイクル施設の運転事象数がほぼ倍増し、24のうちの7事象が人的要因によるものだった。

 GANは全国的に、許認可を受けていない運転や、許認可条件の修正なしの運転が行われていることを明らかにし、2003年にクルスク1号機で、許認可修正プロセスが完了する前に原子炉起動が行われた例をあげ、特別調査を実施し、違反を明らかにし、対応措置をとったとマリシェフ委員長は述べている。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.