[原子力産業新聞] 2004年3月18日 第2227号 <4面>

[セイコーインスツルメンツ子会社] 集束IB、走査型電顕複合装置発売

 セイコーインスツルメンツ(SII)の全額出資子会社で、計測分析装置の製造販売を行っているエスアイアイ・ナノテクノロジー(千葉市美浜区)はこのほど、50ミリメートルの大きさの試料に対応した、集束イオンビーム(FIB)/走査型電子顕微鏡(SEM)の複合装置「SMI3050SE」(=写真)の販売を開始した。新たに開発した世界最高水準のイオンビーム光学系と電子ビーム光学系を採用し、半導体デバイスの超微細化に対応する。

 同装置の新型イオンビーム光学系は像分解能4ナノメートル以下、最大電流密度が1平方センチメートルあたり30アンペア以上を実現。高解像かつ明るい画像で観察ができるほか、イオンビーム加速電圧が低い設定(5キロボルト)の性能が飛躍的に向上、従来困難であった低加速で試料ダメージを最小限に抑制した高精度加工を実現した。また、イオン電流がサブピコアンペアと極小の領域でイオンビーム性能向上に伴い、ナノメートル・オーダーの加工が容易に行える。一方、新型電子光学系は、FIBによる加工箇所をFIB/SEM複合装置としては世界最高水準像の分解能5ナノメートル以下(加速電圧1キロボルト)で顕微鏡観察が可能。さらに、FIB加工状態を電子ビームの同時照射によるリアルタイムモニタリング機能を実現した。同装置は、イオンビーム光学系を垂直に、電子ビーム光学系を傾斜して配置することで、FIBのスパッタエッチングによって露出した試料の断面を、試料を傾斜させることなくSEM観察ができる。本体価格は 一億8000万円から。初年度10台の販売を見込んでいる。


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