[原子力産業新聞] 2004年3月18日 第2227号 <4面>

[原環センター] 中期事業方針まとめ L1廃棄物処分で民間事業支援へ

 高レベル放射性廃棄物の最終処分積立金を管理する原子力環境整備促進・資金管理センターは、2006年度までの3か年を対象とした「中期的な事業運営方針」を新たに打ち出した。政策提言能力を有する公正中立の専門的調査研究機関として広く社会からの信頼獲得を目指すことなどが挙げられている。

 同センターは現在、放射性廃棄物に係わる「調査研究」と「資金管理」を2本の柱として事業運営を進めているが、今回の中期的事業方針は、わが国の放射性廃棄物の処理処分分野における同センターの役割を踏まえ、放射性廃棄物の最終処分等における今後の進展を見据えたもの。

 それによると、国の政策支援分野については、余裕深度処分及び地層処分等に係る安全規制及び基準等の整備支援を明確に打ち出した。また、民間事業基盤整備促進分野ではTRU関係とともに放射能レベルが比較的高い低レベル放射性廃棄物(L1)関係での貢献の姿勢を明確にした。L1廃棄物をはじめとする廃棄物処理処分にかかる民間の規格・標準・調査手順等安全に係わる事業基盤の整備に貢献するとしている。さらに将来のセンターの機能として「専門調査研究機関の立場から社会意思決定に係る具体的活動を展開すること」を想定し組織的能力向上を目指す。また、開かれた調査研究が社会の信頼に不可欠との認識から「情報発信の充実と発信能力の向上」を示したほか、原子力関連国際機関の活動への積極的な参画および近隣アジア諸国に対する技術協力の実施など国際協力の積極的な推進等を挙げている。


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