[原子力産業新聞] 2004年3月25日 第2225号 <1面>

[経済産業省] 原子力はベースロード対応電源

総合資源エネルギー調査会需給部会は17日、第5回会合を開催、電力・天然ガス・新エネ・石炭の4分野の政策課題を議論した。

電力は事務局の「2030年までを視野に入れた我が国電力需給の在り方」を基に議論。同レポートでは、分散型電源の胎動、自由化など大きな変化が起きていると指摘。原子力は地元情勢、需要鈍化などにより一部では開発計画が中断。今後、ベースロード需要対応の供給源とし、新増設を着実に進め、既存炉を有効活用する対策が適当とした。

委員からは「原子力を基幹電源とするためのレポートを期待したが、かなりネガティブな印象の内容、エネルギー基本計画と同じ部門が作成したと思えない。半年間で何が起きたかと思う。自給率の視点が何も出ない。核燃料サイクルをいかに推進するか真剣に考えるべき。多様と混沌の区別が必要で、政策課題は更なる議論が必要」(秋元勇巳・経団連資源エネルギー対策委員長)、「エネルギー安全保障の観点から自給率の目標値を明確に示し、そのための政策に最優先で取り組むべき」(笹岡好和・電力総連会長)、「エネルギー基本計画に沿い安定供給と環境を配慮した電源構成にすべき。原子力の将来性が明示されていないが、40%以上を維持する必要がある」(藤洋作・電事連会長)、などの意見が出された。


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