[原子力産業新聞] 2004年3月25日 第2225号 <3面>

[米・DOE] 原子力で天然ガスを代替

エネルギー省(DOE)は、天然ガスに代わり、原子力により工業用電力需要を賄うフィジビリティ・スタディに財政支援を行う。DOEは研究に要するおよそ65万ドルの資金の65%を拠出する。残りの資金は、テキサス化学技術開発研究所(TIACT)と個々の企業が提供する。この研究は、TIACTのホランド所長の指揮の下で、コンサルティング会社のエナジーパス社が行う。同社は、公衆および特に化学産業の電力需要を満たすため、民間の支出による原子力発電所建設に関する技術的・実務的事例を研究する。

天然ガスは石油化学製品の原料として重要であり、この価格上昇は石油化学製品の製造コスト増となる。また、最近建設された発電所は、ほとんど天然ガス火力であるため、電力料金にも影響する。世界的な競争の下で、化学会社はこの高コストを製品価格に転嫁できないため、多くの会社が海外に生産拠点を移している。原子力はこの問題の長期的な解決策となりうる。

今回の研究には、南西部乾燥地域の増大する水需要を満たすため、原子力を利用した海水淡水化の可能性調査、水素を代替輸送用燃料として化学工業に利用するための水素の製造の可能性なども含まれている。

<DOEの原子力科学技術局のマグウッド局長は、「電力、水素、プロセス熱の併給を目指す原子力の開発に必要な革新的な共同事業」と語った。/p>


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